舞鶴引揚記念館(中平)
2024年 11月 27日
以前ブログで紹介した本「収容所から来た遺書」を読んで以来、いつか行きたいと思っていた舞鶴引揚記念館へ行って来ました。
第二次世界大戦が終わった当時、海外には660万人以上の日本人がおり、その人たちの日本への帰還のために舞鶴・浦賀・呉・佐世保など18の港が引揚港となり、引揚者を迎えました。舞鶴には1945年10月7日から13年間、約66万人の引揚者が帰国しました。
この記念館では主に旧ソ連領内の抑留生活や引揚の歴史を伝え、平和の尊さを発信しています。
「収容所から来た遺書」を読んで抑留生活の悲惨さは感じでいたのですが、抑留者の日本に送った肉筆の手紙や白樺の木に刻まれた記録を見るとやるせない気持ちでいっぱいになります。
展示を見て初めて知ったことが、抑留者の安否を日本にいる家族へ伝えた人の存在です。この方は大阪に住む坂井仁一郎さんという方で、深夜偶然モスクワのラジオ放送が流していた抑留者の名前と住所を聞き、これは日本にいる家族たちに伝えなければと毎日必死で書き取り、そしてご家族にハガキで安否を伝えたそうです。自費でハガキを出し続けた坂井さんは、多くの家族に大きな希望を届けたに違いありません。宛先不明で帰ってきたハガキも多くありましたが、そのハガキには郵便局員の方から、坂井さんの行いを称えるメッセージが添えらているものもありました。戦争を起こすのは人間ですが、愚かな人間ばかりではないだと心が温まります。
公園内には桜の木がたくさんあったので、春には満開の桜が引揚者の魂を慰めていることでしょうね。
因みに舞鶴引揚記念館は修繕工事等により、12月1日から令和7年1月15日(水)まで休館だそうです。
もう二度と“引揚”等という事態が起こりませんように
by yu-no-mori
| 2024-11-27 07:00
| 旅、お出かけ
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